オリンピックでは毎回日本人選手が大活躍する競技の一つ、「レスリング」。
そのレスリングには、まるで異なる競技と言えるほど性質が違う2種目があることをご存知ですか?
今回はそんな2種類の競技、「グレコローマンスタイル」と「フリースタイル」の違いを詳しく解説していきます。
グレコローマンとフリースタイルの違いは?
グレコローマンスタイルとフリースタイルの決定的な違いは以下の3点です。
- グレコローマンは相手の腰から下を掴むことが禁止されている
- テクニカルフォール勝ちに必要なポイント差が違う
- グレコローマンはオリンピックでは男子のみの競技
以下に詳しく説明していきます。
グレコローマンは相手の腰から下を掴むことが禁止されている
グレコローマンとフリースタイルの最も大きな違いは、「ルール上、攻撃が許されている身体の範囲が違う」ことです。
グレコローマンでは下半身への攻撃が許されておらず、上半身のみの攻防による闘いとなります。
対してフリースタイルは相手のどこを攻撃してもよく、相手の足を狙ったタックル等が可能になります。
テクニカルフォール勝ちに必要なポイント差が違う
レスリングにはテクニカルフォール(テクニカルスペリオリティとも呼ばれる)という勝ち方がありますが、その勝ち方に必要な「ポイント数の差」がグレコローマンとフリースタイルでは違います。
グレコローマンでは8ポイント、フリースタイルでは10ポイントの差が必要になります。
ポイントの獲得方法は技に応じて1点、2点、4点、5点と変わってきます。攻撃範囲が違う2種目ですから当然技の種類も異なり、ポイントの獲得も異なった戦略が必要となるでしょう。
オリンピックにおいてはグレコローマンは男子のみの競技
女子グレコローマンスタイルという種目は、2024年パリ五輪に至るまでオリンピックには存在しません。
ルールの性質上、グレコローマンは力比べの要素が強く、女子にはそぐわない競技だと見なされてきた過去があるようです。
ただ、女子グレコローマンのオリンピック競技採用は過去少なくとも10年は検討されており、今後の展開に目が話せません。
レスリングの女子グレコローマンスタイルが、早ければ2024年夏季五輪から、正式種目として採用される可能性がある。(中略)一時は、五輪の実施競技から除外された経験を持つレスリング界にとって、知名度の極めて低い女子グレコの普及は、「男女平等」をうたうIOCの歓心を買うための窮余の策。
https://www.sankei.com/article/20150926-B7Z7GQCTFZJW5IDLZA2AXTZ6WI/
ルールの違いによる2競技の特徴、見どころ
上半身のみで攻防するグレコローマンスタイルは「ダイナミックな技の掛け合い」、それに対して全身を攻撃と防御に使えるフリースタイルは「スピードを活かしたタックルの応酬」というのが主な違いであるようです。
また、グレコローマンの方がグラウンドワーク(寝業)からのポイントの奪い合いがより重要になってきます。
立っている時に下半身を攻撃されないため、足を曲げて構える必要もなく、上半身を使った力技と、技を決めるための準備動作がより必要となります。
まとめ
日本のお家芸であるレスリング、オリンピックでは毎回メダルをとる選手たちが続出しますね。
2024年パリオリンピックでも、非常に多くの日本人選手たちがメダルを期待されています。
また世界でも、グレコローマンスタイル130キロ級のミハイン・ロペスヌネス選手(キューバ)が史上初の五輪5連覇を期待されるなど、何かと注目を集めているレスリング。
これを機に、グレコローマンとフリースタイルの2種目の違いを意識しながら視聴すれば、より深くレスリングを楽しめるのではないでしょうか?
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